給水管洗浄と排水管洗浄(清掃)

多くの人はご自宅の配管清掃と言われてイメージするのは「排水管清掃(洗浄)」だと思います。

実際、マンションなどの大規模修繕などで一棟全体の給水管洗浄でお伺いすると排水溝周りをきれいにして開けていらっしゃる方が3割程度いらっしゃいます。

また、ご自身で頼まれることが多いのも「排水管清掃」の方でしょうね。排水溝は長年使用していると臭いやヌメリ、詰まりといった目に見えるトラブルが発生しやすいため、日常的に意識されやすいメンテナンスです。

しかし、お住まいの配管には「使った水を流すルート」だけでなく、「毎日口にする新鮮な水を運ぶルート」も存在します。それが「給水管」です。

実は、この2つは役割も構造もまったく異なるため、清掃の目的や方法も大きく変わってきます。

そもそも「給水管」と「排水管」の違いは?

住まいの中にある配管は、大きくわけると2系統に分かれます。蛇口から出てくる水を供給する「給水管」と使った水をを流して捨てる「排水管」です。

この2つの配管の主な役割をまとめてみました。

項目 給水管(入ってくる水) 排水管(出ていく水)
役割 蛇口まで安全な水を届ける 使用済みの汚水を下水へ流す
主な用途 飲用水、料理、風呂の湯はり、シャワー キッチン・浴室・洗面・トイレの排水
管内の状態 常に水圧がかかっている(密閉) 傾斜による重力で流れる
主な汚れ 酸化によるサビ、水アカ、バイオフィルム 油汚れ、髪の毛、石鹸カス、ヘドロ
放置時のトラブル 赤水、異臭、水圧低下、管の腐食・漏水 詰まり、逆流、悪臭、害虫の発生

このように、給水管は「生活の起点となる清潔な水」を通す管、排水管は「役目を終えた水」を流す管ということになります。

排水管清掃の目的:詰まりと悪臭の予防

排水管清掃の主な目的は、日々の生活で流れ込む油分や石鹸カス、髪の毛などが固まってできる「閉塞(詰まり)」や「悪臭・害虫」の発生を防ぐことです。

排水管は重力によって水が流れるため、曲がり角や勾配が緩やかな部分に汚れが蓄積しやすい特徴があります。市販のパイプクリーナーでの定期的なお手入れや、定期的な高圧洗浄によって管内のヘドロを押し流すことが有効です。

意外と見落とされがちな「給水管洗浄」の重要性

一方で、見落とされがちなのが「給水管」ですが、排水管のように臭いや水の出が悪くなるといった症状が出ることはあまりありません。

蛇口をひねれば普段は無色透明な水が出てくるため、「綺麗な水が通っているから中は汚れていない」と思われがちです。

しかし、給水管内も年月の経過とともに老朽化が進みます。

給水管の場合、築年数が10年~20年を超えてきてくると症状が出てくることがあります。給水管の場合どのような症状が出てくるかをまとめてみました。

 

  • 水が茶色く濁る(赤水)

  • 水道水から鉄っぽい臭いなど金属臭がする

  • 水の出(水圧)が悪くなる

  • 配管が腐食して漏水する

 

給水管を通った水は家族が毎日飲み、料理に使い、肌に触れる水です。口に入る水だからこそ、配管自体の定期的なお手入れが本来は欠かせません。

配管を全交換する前に「洗浄」という選択肢

給水管がサビて劣化した際、最も根本的な解決策は「配管の交換(更新工事)」ですが、壁や床を解体する必要があるため、多額の費用と工期がかかります。

そこで有効なのが、既存の配管を活かした「給水管洗浄」です。

薬品を使わずに圧縮エアーや水圧の力で管内に浮遊するサビや異物を除去することで、大きな工事をすることなく水質を改善し、症状を抑制することが可能です。ただし、原因を完全に取り除く訳では無い為、状態によっては給水管洗浄が出来ない(効果がでない)ケースや、配管の交換を推奨する場合も出てきますので、症状が起きた後ではなく、築年数に合わせて検討すると長く、安心してお使いいただけるようになります。

まとめ:排水だけでなく給水管も定期的なメンテナンスを

  • 排水管清掃:日々の快適な暮らしを守るための「詰まり・悪臭防止」

  • 給水管洗浄:日々の健康と住まいの資産価値を守るための「水質維持・配管延命」

どちらか一方だけでなく、両方の配管が適切に機能して初めて、住まいの水環境は健康に保たれます。

「最近、朝一番の水が少し濁る気がする」「築年数が経ってきたけれど給水管のお手入れをしたことがない」という場合は、配管の更新工事を考える前に、まずは給水管洗浄をご検討してみてはいかがでしょうか。